美容室の経営に深くかかわるサロンオーナー、経営幹部は自分達の美容室の
財務諸表、損益計算書や貸借対照表を読み解き、経営判断の指標とする能力が求められます。
最近の美容室の経営分析ソフトのなかには、美容室の経営分析に必要な情報を自動抽出
するものもありますが、一番重要なのはどの数字が大切なのかを見極めるサロンオーナー、
経営幹部の手腕になってきます。
法人での幹部研修では数値面の分析力をあげるセミナーが行われています。
法人サロンであっても個人経営の美容室であっても数字を読める経営者は必須条件といえます。

美容室が確定申告の時期に提出する財務諸表としては、貸借対照表、損益計算書があります。
美容室の確定申告書の作成をパソコン上でできるこのようなソフトもあります。
国税電子申告・納税システム(イータックス)
美容室の経営分析は損益計算書、貸借対照表の数値から分析することが主な方法となりますが、
分析する経営者の判断で数値を評価するため、どれだけ美容室の経営状態を数字から洞察
できるか?そのスキルによって得られる情報もかわります。
私がクライアントの美容室の経営分析を行う際は、
細かな数字、細かい会計項目は追いかけないようにしています。
例えば、会計項目の中には売掛金、受取手形、現金などの項目がありますが、
それらは全て流動資産としてひとくくりにします。
負債項目も同様です。
また、無視する会計項目としては、雑収入、仮受金の内訳などの細かな数値部分です。
「木を見て森をみず」という言葉がありますが、あまりにも細かい数値を追いかけすぎると
分析に至るまでの作業が膨大になるだけでなく、“木”細部にとらわれて、“森”全体の経営の傾向
が見えなくなる危険性があります。
数字は俯瞰して大きく見る。そのことを自分の美容室の経営分析を行う際には
念頭におくようにしましょう。
前期の貸借対照表と今期の貸借対照表を見比べると美容室における
資産の流れをつかむことができます。
それは単純に前期の資産の額と今期とを比べて多い少ないを見るだけにとどまらず、
増えた資産は流動資産なのか固定資産なのか?
固定資産であればそれだけを前期と比較し、どれだけの金額が増減したのか?
増えた額は前期の資産のどれほどのウェイトを占めているのか?
という点を考慮にいれます。
美容室の資産増減率=増減額÷前期総資産×100
先ほどの美容室の資産増減率を用いて考えると当初見えなかった点が見えてくるようになります。
例えば、固定資産が、金額では流動資産を引き離して増加していたと仮定してみましょう。
しかし、流動資産が資産増減率では固定資産を上回っているという場合もあるのです。
| 増減率 | 増減額 | 前期 | 今期 | |
| 流動資産 | 46.6% | 700万円 | 800 | 1500 |
| 固定資産 | 50% | 400万円 | 400 | 800 |
上記の例では、増減率が固定資産が50%を超えて増加しているのに対し、
美容室の流動資産は46%です。しかし、増減額は流動資産が固定資産を上回っています。
これは美容室の固定資産がこの一年間で急に増加したことを意味しており、
その理由について調べる必要がでてきます。
このように増減額だけでなく、資産の増減率という観点からも美容室の経営状態を分析
するという方法は有効となります。